(2024.7.10 バイブレーションベイト ブレードのアップグレード 記事は→こちら)
「根掛かりしないバイブレーションがほしい」から始めました
開発当初、「どこでもバイブレーション(Anywher Blade bait)」と呼んでいました。根掛かりを気にせずどこでも使えるバイブレーションを目指して企画したものです。
スピナーベイトの変わり種ではありません。
欲しかったけど無かったバイブレーションを作りました。
パーツとしてのバランスと動きを追求したブレード
このルアーの命ともいえるのがブレードです。
複合的なルアーのひとつのパーツとして、メタルバイブレーションルアー(Blade Bait)単体とは全く異なる性質が要求されます。
泳ぎのバランスをとるためにはできる限り軽くする必要があります。その中でも動き出しが早く、強いバイブレーションを生むものを試していく中で探しあてた形状です。
真鍮板からはみ出した位置にあるブレード中央側のウエイトは
「この球、落ちないの?」
と心配されますが大丈夫です。
この位置が、同じ重さでも動きを大きくすることに貢献しています。
同時に生物的な不安定さがわずかに混ざるぎりぎりのセッティングにしました。
落ちそうで落ちない重要な球なのです。
三角形と逆三角形、正反対の断面を一つのボディの中で両立
ヘッドはすり抜けの良い形状をもとめていながらも、横倒れせず泳ぎ姿勢を安定させるため重心は低くする必要がありました。
結果生まれたのがこの形状です。
前方は障害物をかわしやすい逆三角形の断面、後方に行くに従い低重心の三角形の断面になっていくその変化を両サイドの曲線に託しました。
ウエイト部は鉛含有率0.5%以下の材料を使用
ウエイト部(ヘッドおよびブレードのウエイト部分)には錫を中心とした材料を使用しています。
現行試作・試供品:ホワイトメタル1種(鉛含有率0.5%以下)
取り囲む世界を映す鏡面仕上(試作品・試供品のみ)
鏡面は「シルバー色」ではありません。
素材を生かした仕上げであり、場所や時刻により、また観る者の位置によっても映すものとその見え方を無限に変化させる仕上なのです。
ひとつひとつ手で磨いています。
(写真の製品はブレードのウエイト部分を塗装してあります。)
真鍮ブレードの曲がりにご注意ください
現行のブレードは真鍮板0.5mm厚を使用しています。薄く曲がりやすい材料ですので取扱いにご注意ください。
(2024年7月新ブレードの記事は→こちら)
現在までの歩みとデータ
1号試作
「根掛かりを気にせず使えるバイブレーションとは?」から始めて
出た答えのひとつがこれでした。
ヘッド・ブレードともに鋳型はシリコン型。
ヘッドは粘土で作った元の形から型をとり、鋳造したホワイトメタルを削ったものを原型として再度型をつくりました。
- ワイヤー:Φ 0.8mm、1.0mm
- フック:3/0、4/0
- ウエイト材:ホワイトメタル1種
(JIS規格適合) - ブレード:真鍮C2801(JIS規格適合)
t 0.5mm
2号試作・試供現行品
1号を元にしつつも形状を一からCAD上で作成しなおしました。
ブレード真鍮板はCNCで切削しています。
ヘッドとブレードの鋳型もCNCを使ったアルミ型になりました。
- ワイヤー:Φ 0.8mm、1.0mm
- フック:3/0、4/0
- ウエイト材:ホワイトメタル1種
(JIS規格適合) - ブレード:真鍮C2801(JIS規格適合)
t 0.5mm
変更・改良予定
- ブレード形状の変更
- ヘッドの形状を変更
- 製品版ではスイベル・スナップ等の既成
品パーツを変更予定
上記他を改良点として開発中。