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「ゆっくり底を探れるハードルアー」を作る 第5回 単純な形から始める〜予想外の結果

背負ってる荷物が少ないほど動きは良いはず・・

ブレードに付けたボディ(ポリスチレンフォーム)のサイズははじめ高さ11.5mm に対して幅11.5mmの円筒形。
この幅を1mmづつ削って薄くしていきます。

以下、数値は幅(厚さ) です
1. 11.5mm  
2. 10.5mm
3. 9.5mm
4. 8.5mm
5. 7.75mm
6. 7.0mm
7. 6.0mm
8. 5.0mm
9. 4.5mm-1
10. 4.5mm-2
11. 4.5mm-3
12. 4.5mm-4

ごめんなさい、1mmづつじゃなかったですね。
9.〜11.は幅は同じ4.5mmで他の形状を変えてみました。

前回書いたように、円筒形では「動く」とは言えないくらいの小さな揺れ程度。
そして、3.高さ11.5mmに対して幅9.5mmの比率になったところから動き始めました。
斜め姿勢は変わらずです。

4.で8.5mmにすると「可」と言える細かい振動になりました。
動画、スローで撮ってます。
横からなのでわかりにくいですね。正面か後ろから撮れ、とこの時の自分に言いたい。

ロール的な動きですね。
5.の7.75mmも同様に可でした。

この時点で、引かれている時の斜めの姿勢が非常に気になっています。
斜めなので背に受ける水圧で下に押され、潜りたがるのも気になります。
気にはなりますが、その解決は先のこととして今やることを続けます。

6.の7mmも変わらず。

ちなみにここまでは底で直立しています。

しかし・・
動きがあまり変わらないのはなぜかな。
薄くなっていくにつれて、ブレード単体にどんどん近づいていくわけだから動きは良くなるはずだけど・・?と思います。

次に6mmにしたとき(7.)、「動きがよくない」と感じました。
というより、動かなくなっていってる?

どういうこと??

ちなみに底では斜め立ち。
まだかろうじてボディの浮力は効いているという状態。

そして8.の5mm。
6mmよりはいいようだけど、6mmと似てる。
しかもどちらも不安定な感じ。
うーん。
なんなんだこれは。

もやもやした感じで、同じものを何度も泳がせながら考えてました。

「動けよ」
いや、そうじゃない。
現実を見つめよう。

沈めた時は両ウエイトが底に着いている状態。寝てはいないが立ってもいない状態。
少しゆっくりめに引いてみました。
すると弱いが動きます。
ゆっくりの方がいいのか?動くは動く・・。
なんかそれまでより、ブレードベイト、つまりメタルバイブレーションの動きに近いかも・・。

9.とりあえず先に進もうと4.5mmにしました。
まず、底では寝ています。

しかし、引いた感じはブルブル感あり。
そして「動き良い」と感じられる。
もちろんブレード単体のような大きな動きではないものの、ボディをくっつけて試していっている中においては良かった。

見ていると、同じ左右に振れている動きでも、動き始めた厚さのものと薄くして動いた時の違いはある。
4.あたりを「振り振り・ころころ」というような動きとすると、9.〜11.は「振りっ、振りっ、」ていうような振り終わりにスナップ効かせて振ってるような感じなのです。
動画では伝わりにくいかもしれませんが、伝わる振動含めてそういう印象です。

0.5mmしか変わってないのに。
幅0.5mm狭くするには片面0.25mmしか削ってないってことだけど・・。

それにしてもなぜ、薄くし続けていったのに対して一旦動きが悪くなってまた動きが良くなったという変化を見せたんだろう?

正直、わかりません。
わかりませんが、推察して考えたことはあります。

でもその前にはっきりしとかないといけないのは、
これは厳密な実験じゃなくて、一度しかやっていないことと、同じことを色々な材料でやったり別のサイズでやってみたりしたわけではないということです。
あとは読まれて気づいた方もいると思いますが、この時は「削っていってその都度試していた」のであって、違う厚さの物を全部揃えておいてそれぞれを試したわけではないのです。つまり、その前の厚さにもう一度戻って確かめたりしていないということです。
この時だけに起こったことなのかもしれないし、動きの良し悪しもあくまで主観です。

二つの動きの要素があるのか?

正確な実験と違うけれど、自分としては変化を見てとったので考えてみて思ったことは、
「薄くしていくという一つの変化に対して、2種類の『動く要素』が発生したのかなあ」
ということです。
太い時(円柱に近い時)はリップレスクランクつまりバイブレーションプラグ的な動きに近かったのかもしれない、と思ったのです。

「ブレードベイトに余計なものがくっついたもの」から余計なものを削ぎ落としていけば「ブレードベイト」に近づく変化をするとばかり考えていたんだけど、そうじゃなくて、「リップレスクランク」から「ブレードベイト」(バイブレーションからメタルバイブレーション)への変化を見たのかも・・と。
ブレードベイトに余計なものをくっつけたとしか考えていなかったけれど、ものがくっついたことでリップレスクランクの要素も持ったのではないだろうか?
ウエイトの位置といい、かなり中途半端だけど。
それが薄くなるにつれてリップレスクランクの要素がなくなっていった。
かといってブレードベイトの動きにもならない、その中間的な厚さの時が、どちらの良さもない動きの良くない状態だったと。不安定な・・。

それなら辻褄合いそうだけど。
違うかなあ・・。

4.5mmまで薄くして、ここまでやったらその先の薄さも試してみたい(記録したい)という気持ちは当然ありましたが、ここまでにしました。
まず、さらに削っていくとこの材料では削るというより「壊す」という感じで崩壊したこと。
もう一つは、この高浮力の材でも沈めたときに両ウエイトが底に着いているか寝ているので、実用的な材料にしたときも当然寝てしまう。
ボディの浮力で「底で立つ」という今回のルアーの前提からすでに外れているのです。
なのでこれもまた置いておいて先に進むことにします。

その代わりにこの4.5mmの背をなめらかに尖らせてみました。水当たり面を少し鋭角にしたということです。それが4.5mm-2です。
動き良く、特に「動き出しが良く」なりました。
そしてブルブル感が強くなりました。
次に腹側も同じように尖らせました。(4.5mm−3)
これも動き・動き出しはよく、ブルブル感が明確になりました。
最後に、後端(尾の部分)を斜めにカットしてみました。(4.5mm-4)

これはブレードの形そのものに近づけるということです。
幅(厚さ)で動き良く、背・腹削ってさらに良くなっているものを元になっているブレードそのものに近い形状にするのだから、当然これが一番良い動きだろうと思えたのですが・・。

またなんと「泳がない!」(とメモに書いています)

(写真・動画・メモ ここまで2023.1.17)

なぜ?(とも書いています)

そもそもこの平行四辺形(頭側が下がり、尾側が上がる方向の平行四辺形)のブレードがいいものであるように僕が言っていること自体、理解してもらえないかもしれませんが、自分としては「ワイヤーベイトのブレードとして軽いウエイトでもよく動く形」として見つけた形でかなりバタバタと泳ぎます。
だからその形に近づけたのに動かないことに驚いたのです・・。

理由はちょっとわからない。
わからないですが、薄くなってブレードベイト単体に近づいた、けどまだ異物がくっついている以上、これはブレードベイトじゃない「別物」ということなのでしょう。

僕がブレードベイトは面白いなあと思うのはこういうところです。
平らな鉄板。
スプーンも1枚の鉄板だけど、水流をコントロールしようとするカーブを持っている。
でもブレードベイトは平らな板。
それも抵抗の無い薄い面を進行方向に向けて引かれていく。
なのに動く。
シンプルなのに奥深く、不思議な要素がいっぱいだと思う。

ところで、ここまで文中で度々「動きが良くない」とか「動かない」という言葉を使っていますが、「動かない方が釣れる動き」だという場合があるわけだし、もちろんそれも追求の一つの方向だと思います。
でも今はそこを目指しているわけでも探しているわけでもないので、その方向の追求は置いておきます。

斜め泳ぎを解消する

ここまで駆動部(リップ)として試しているブレードは別のルアーの一部を使用しているだけです。
ラインアイ位置が前の方にあるため、ボディをくっつけた状態で引いていると斜めになっていました。
それが気になっています。
垂直に近い姿勢になってほしいのです。
垂直の姿勢でメタルバイブレーションのリップならではの動きをしてほしい。
そして、引いた時に潜ろうとせずに浮き上がる方向であってほしい。
そのためには・・

まずはラインアイの位置を下げる必要があります。

でも、それだけじゃ済まないだろうと思っています。

もう一つ、引いた時にボディの受ける水の抵抗を減らさないとダメだろうと予想します。
どうやって?
断面形状を薄くする?
それが一番抵抗を減らせる。
でも、ボディの浮力で「底で立つ」ようにしたいわけですから、体積が必要。
あまり薄くもできないというジレンマがあります。

やっぱこういうことかなあ・・。

(メモ ここまで2023.1.23)

(つづく)